「室内オペラ 夕日の耳」(2012)

サントリーホール ブルーローズ 

やってみなはれプロジェクト

~音楽のさらなる可能性を求めて~

室内オペラ

『夕日の耳』 

―室内オペラと能舞が織りなす幽玄の世界―

脚本:梅津勝一郎

作曲 :ワルター・ギーガー作

演出:篠本賢一

 

スイス人作曲家による日本語の室内オペラ

西洋楽器と能舞のコラボレーションで幽玄な世界を

 

20121025日(木)

【会場】サントリーホール ブルーローズ(小ホール)

【出演】

 <オーケストリオ・チューリッヒ>

 ギター:ワルター・ギーガー Walther Giger, guitar

 ヴァイオリン:河村典子 Noriko Kawamura, violin

 コントラバス:白土文雄 Fumio Shirato, double bass

 能舞:梅若紀彰(観世流シテ方)Kisho Umewaka, noh

 ソプラノ:見角悠代 Haruyo Mikado, soprano

 バリトン:坂下忠弘 Tadahiro Sakashita, baritone

【曲目】

 J.S. バッハ:「無伴奏ソナタ」から(ヴァイオリン&能舞)

 前田智子:「無明長夜」(お経とコントラバス)

【主催】オフィスN&ウメワカインターナショナル

  サントリーホール

平成24年文化庁芸術祭参加公演

https://www.suntory.co.jp/news/s_hall2012/sh0130.html

MEMO

 今回、「夕日の耳」を演出するにあたって留意したことは、器楽、歌唱、舞という異なる三つの要素をどのように融合させ、一つの世界にまとめていくか、ということでした。それぞれの表現要素が、でしゃばらず、しかも、埋没することがないように設定できるか、そこに私の仕事があったといえましょう。

 舞台芸術において大切なことは、パフォーマーの提示する表現が、観客の想像力を如何に刺激しイリュージョンを抱かせることができるか、だと考えています。そこで今回、舞台空間に余白をたくさん作り、その余白に観客の皆さまが想像力を駆使して、このオペラの世界を想い描いて頂けるように構成してみました。一見空虚な空間が、豊饒な空間に変貌するかどうかは、パフォーマーの表現とお客様の想像力が、見事に融合できるかどうかにかかっています。異なる要素が見事なコラボレーションを果たすには、お客様の想像力が必要だということです。

 本日のステージで何もない空間に、様々な情景、情感が立ち現われるよう祈りつつ。ーパンフレットよりー