「妖話会」(あやしのわかい)は、加藤翠の発案でスタートした遊戯空間のプライベート企画である。そこで表現されるのは世俗的な常識から離れ人間の心の闇に分け入る禁断の世界。昨今「コンプライアンス」という概念が人間の行動を制限している。その意味するところは「法令遵守」または「社会規範に反することなく公正・公平に業務遂行すること」である。しかし表現は「コンプライアンス」からの解放区でありたい。マクベスの魔女ではないが、白と黒が逆転した世界、苦痛と快楽が逆転したサドの生み出した王国、私たちの常識がそれを許さずとも知らず知らずのうちに心の中で追い求めてしまう甘美な夢の世界、それらをプライベートな空間で密かに愉悦する、それが「妖話会」である。