ファンドとリス

遊戯空間サロンシアターVol.4

 

1996年4月20日~21日

なんでも小屋 NGOMA

 

作:フェルナンド・アラバール

翻訳:若林彰

演出:篠本賢一 

 

出演:藤田三三三

   青木雪絵

   佐々木智

   紺野康文

   矢部謙次 

 

演奏:田中佐知子(ピアノ) 

 

協力:藤井巴艶、岡橋和彦、

   津田佳奈、西山亘、

   井上義幸、深沢奈緒美、

   橋本邦一

若林彰氏と

MEMO

サロンシアターの中でもベスト3に入るのではないか。俳優、演出、音楽が混然一体となり充実した舞台となった。アラバール本人の投影とも言われる小児性暴力男ファンド役の藤田三三三、その男に献身的に仕える足の悪い聖女のような少女リス役の青木雪絵、理想郷タールを目指し放浪する男たちを演じた佐々木智、紺野康文、矢部謙次が、それぞれの個性を生かし見応えのある演技を展開した。音楽は田中佐知子(藤田佐知子)が、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」をピアノ演奏し、このドラマを記憶に残るものに昇華させた。何もない空間をいかに多彩に見せるかという演出家のミザンセーヌ修業も軌道に乗ってきた。翻訳の若林彰氏が初日に観劇し「30年にわたるこの作品の上演史の中でも出色の出来だ」とのスピーチに力を得る。この作品はのちに再構成され『ふたりのフェルナンド・アラバール』となって2002年に上演された。その時もファンドを藤田三三三が、リスを青木雪絵が演じた。


リハーサル風景

写真:田中佐知子

パンフレットより