谷川俊太郎を読む・演じる

遊戯空間サロンシアターVol.3

 

1996年2月10日~11日

なんでも小屋 NGOMA

 

作:谷川俊太郎

構成・演出:篠本賢一 

 

出演:「谷川俊太郎を読む」

   「ことばあそびうた」

   「定義」ほか

   岡橋和彦(劇団民藝)

   津田佳奈   

 

   「谷川俊太郎を演じる」

   戯曲「部屋」

   藤田三三三

   青木雪絵

   篠本賢一

 

演奏:田中佐知子(ピアノ)

 

協力:藤井巴艶、佐々木智、

   櫨本邦一

 


MEMO

谷川俊太郎の戯曲『部屋』は、セリフにあるようにまさに「まだ、どこでもない」詩的な空間で展開するドラマだ。時空間のない抽象的な文学の世界に存在するアダムとイヴのような二人だけの男女。この『部屋』という戯曲は。読み物として広く知られているかもしれないが、上演する機会はあまりないように思う。だが、この会場のもつ抽象的な特性とマッチし見ごたえのあるものになったかもしれない。一方、津田氏と岡橋氏による「朗読」は、言葉を発する俳優の豊かな存在そのものが一つのドラマとして見ごたえのあるものになりうる可能性を示せたのではないかと考えている。この作品から田中佐知子(藤田佐知子)が篠本演出作品に音楽スタッフとして参加するようになる。リトミックの研究者でもある彼女の音楽は、俳優の身体との交流に長けている。


写真:田中佐知子